オペラ「蝶々夫人」を観ました | 猫のおなか

オペラ「蝶々夫人」を観ました

新国立劇場で本日初日のオペラ、「蝶々夫人」を観てきました!
TVでは観たことはあるけど、ホンモノを目の前で観るのは初めてで、幕が開く前から期待でどきどきでした。その期待に違わない、素晴らしい内容に終始舞台に釘付け……。

内容については、有名過ぎて、知らない人はいないでしょうけど、あらためて当時の日本の置かれた状況を考えさせられたり、女性の一途さに心打たれたり…奔放なアメリカの若者(軍人なんだけどまだ若いですから)のピンカートンの朗らかさと表裏一体の罪深さとにちょっとムカムカしたり(笑)

蝶々夫人の歌う一番有名なアリア「ある晴れた日に」が響き渡るときには、本当に涙が流れたほどです。

で、内容の素晴らしさはもうこれ以上いうまでもないので、面白いなあと思ったことを。

蝶々夫人はイタリア人プッチーニのオペラですが、原作はアメリカ人ジョン・ルーサー・ロングの書いた同名の小説です。この人、実際に日本に行ってない人らしいですね。彼の姉が日本に住んでいたので、その様子を聞いて小説を書いたのです。
だから、結構この「原作」のせいだと思いますが、プッチーニの「蝶々夫人」にも、日本人が見たらくすっとしたり、ちょっと変かな?と思ったり部分があります。

1幕で出てくる蝶々さんの叔父で僧侶という人物がいて、名前が「ボンゾ」といいます。これ、実は「坊主(ぼうず)」がなまったようです。地元の人が坊主坊主というのを聞いていて、原作者の姉が間違って記憶してしまったのでしょうか。

また、この坊主、勝手にキリスト教に改宗した蝶々さんを責めて、捨てぜりふに「猿田彦の神を裏切るのか!」というんですが……仏教の教えを説く坊主のセリフとは思えません(^^;
いくら神仏混合の歴史があるとはいえ、仏罰が下る、ならわかるんですが。

また、蝶々さんの家の女中の名前が「スズキ」と呼ばれます。
これ、どう聞いても名字ですよね。女中を呼ぶ時に、名字で呼ぶのもちょっと違和感がありますね。執事とかなら、名字もアリかと思いますが、明治のことですし、女性は下の名前で呼ぶ方が普通ではなかったのかと思います。
このあたりも、聞き書きと想像とで作られたらしい感じがします。

しかし、そーんなことは些末なこと。
観てる間は、そんな小さいことにツッコミいれてる場合じゃないです。なんたって、悲劇の物語を哀切たっぷりに歌い上げてるんですから……。

時間もあっという間に過ぎ、最後はブラボーの嵐。
ああ、素晴らしい時間を過ごせました。

チケットを譲ってくださった、Y嬢に感謝感激あめあられ、でございます。